4日間のAAAL 2013が終了しました

4日間のAAALが終了。これまで私自身が参加した学会の中で最も充実した学会だったといっても良いと思う(「発表してから言えよ」ともう一人の自分が言っています)。三日目におこなわれたDynamic Assessment: Mediating Language Development of All Learners,そして,Bridging the Gap: Cognitive and Social Approaches in Applied Linguisticsは,もうぐったりするほどエネルギーを使うコロキアムでした。

特に,二つ目のBridging the Gapは,立ち見も出るほどでした(私も座れなかった)。もちろんcoginitivismとsocialの間にincommensurableな余地はあるのですが,お互いの異なる認識論を前提にディベートするなんていうのは,例えば,90年代にApplied Linguistics誌上で,Cognitivistsがかたくなな姿勢をくずさず議論にならなかった頃とは隔世の感がありました。もっとも,Lantolfは,Vygotskyの議論にしたがい,二元論そのものを否定し,bridging the gapではなく,closing the gapの方が正しいのだと主張します。ふむふむ。こういった建設的な形でのcognitivismとsocial constructivism, sociocultural theoryの討論は日本ではまだ無理だろうなあ。

Plenaryは,Lera Brodisky。彼女はアカデミアのスターだ。ほぼこちらのレクチャーと同じでした。

夕方にはLeo van LierさんのMemorialが特別に開かれました。出席者の顔ぶれを見るだけで,Leoの人望と彼を取り巻くエコロジーを垣間見ることができました。スクリーンにはLeoのこれまでの活躍を物語る写真が流されていましたが,2005年Penn StateでのSummer Institue(私自身が彼の講義を2週間履修しました),また,2007年に私たちで開催したOxford Kobe Seminar on English Language Education(LeoにはPlenary Lectureをお願いし,泊まり込みで議論したことを覚えています)の写真も流れました。そして,多くの人々が彼に捧げる言葉を聞いて私自身も胸からあついものが込み上げてきました。あらためて,心からLeo van Lier先生の冥福を心からお祈りします。こちらに追悼記念のサイトが作られています。

今回の学会では,人々との出会いのネットワークを広げることができたのも収穫です。Richard Donato先生やKristen DavinさんとDAについてのプロジェクトの話もできて,なんとか形にしたいと思います。新たなエコロジカルな関係の中に飛び込めた4日間でした。明日のフライトで帰国です。

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