県教委と連携して取り組んでいる英語教員研修を皮切りに,8月〜今月にかけて,教員研修の講師を務めたり,県内のいくつかの小中学校での校内研修会に呼んでいただき,研究授業を見たあとに,お話をさせてもらったりしています。ちょっと,外に出かけすぎ?と自分のスケジューリングの甘さを反省しつつ,ただ,どちらかというとワンショット,あるいは,点でしか関わっていないのに,好きなことを言わせていただいていることに「申し訳ありません」と反省もしております。
校内研は,いろいろなスタイルがあるのだと思いますが,私の場合は,直前の研究授業を録画したビデオをスクリーンに映し,参加者と一緒に振り返る作業をします。ビデオをSDカードに記録し,QuickTimeで再生するようになって,この作業は,ずいぶんとやりやすくなりました。MacBookとポータブルのスピーカー(Amazonベーシック ポータブルBluetoothスピーカー)をBluetoothでつなげるようになりましたので,持っていく物も少し軽くなりました。
研究授業が終わってから,10分ほどして,事後研究会が始まることが多いので,スクリーンに映し出す場面の切り出しは,その合間を使って行います。事前に準備したことや,自分のノートや指導案に書いたメモを参考に,取り上げる場面に目星を付けます。事後研修会が始まってからも,授業者と参加者の質疑応答なども聞きながら,話題に上がっている場面を切り出していきます。
スクリーン上には,教師や参加者からよく見えていた場面,あまり見えなかったけれど,興味深いと思われる場面をクリップとして映し出し,参加された先生方に見てもらいます。そして,あらためて見えたこと,気付いたことを話してもらったり,その時の教師の思考や意思決定がどのようなものだったかについて考えていきます。結果論となるのでやった方が良いかどうかは分かりませんが,授業者も含めて「自分ならこの時どうするか」といったことも考えてもらいます。
授業場面をみんなで見直してみると,教師と子どもたちの言語的やりとりもさることながら,子どもたちの視線,身体の向き,笑いやつぶやきといったものが,授業への参加を示す重要な手がかりになっていることがわかります。教室の会話分析をやるようになって,こういったところは,私なりによく見えるようになってきました。研究のレンズは,やはり必要ですね。
あとから,「別の場面を取り上げておけば良かった」と思ったりすることもあるのですが,取り上げた二〜三つの場面は,事後研究会での参加者の思考を活性するのに十分なプロンプトになります。授業者の先生は,いやだなあと思われるかもしれませんが,このスタイルの授業研究を続けてみて,いいディスカッションができるようになったという実感があります。
吉田先生
ご無沙汰しております。修了生の甲斐です。ブログ拝読させていただきました。
授業で撮影した映像を、10分後の校内研修での討議に使うとは恐れ入りました。そごいですね。振り返りにはもってこいだと思います。授業者からは見えなかった部分が、映像から見えてくるわけですし、あの場面でこういう発言(教師&児童・生徒)からあったけど、どのような意図、あるいはどうすべきだったかなど、直ちに振り返ることができるというのは良いですね。修正フィードバックの授業版と言えるように思いました。授業をされた先生には、きついこともあるかもしれませんが、修行と思えば、むしろ良い経験を積まれたと言えると思います。
授業を数多く参観されている吉田先生ですから、短時間でも、ワンショットでも見られた授業の印象は、間違いなく授業をされた先生や参観された先生らにとって意義のあるないようだと思います。
お忙しい中、寸暇を惜しんで授業視察。ぜひ体力と時間が許す限り、続けてください。
面白い情報をありがとうございました。
甲斐 順