Team Teaching and Team Learning in the Language Classroom Collaboration for innovation in ELTがOpen Accessとなりました。

2016年にAkira Tajino, Tim Stewart, David Dalsky編著で出版されたTeam Teaching and Team Learning in the Language Classroom Collaboration for innovation in ELTがOpen Accessとなりました。実は,Open Accessになってから2年近く経っていましたが,そう言えば,こちらのブログでアナウンスしていなかったと思い,遅ればせながらお知らせします。

Open Access化にあたっては,編著者の先生方のご尽力はさることながら,京都大学学術研究展開センター(the Kyoto University Research Administration Center: KURA)による支援を受けたということです。書籍の電子化のみならず,オープンアクセス化については,越えなければならないハードルがたくさんありますが,書籍の中での議論や発見が読者に広く伝わるという点では,たいへん有り難いことです。

拙論“A sociocultural analysis of effective team teaching in a Japanese language classroom”もダウンロードしていただくことができます。お読みいただいた方には,ご批正いただければと思います。

注:上のリンク先に表示してあるAbstractは,私が担当したチャプターのabstractではなく,何かの手違いで,別のチャプターのものとなっています。どうも,すべてのチャプターで,abstractが別のチャプターのものに入れ替わっているようです(ナゾだ!)。ちなみに私のチャプターのabstractは,Chapter 2 Beyond team teachingのアブストになっています。

This chapter analyses a team-taught English lesson at a Japanese junior high school and demonstrates the ways in which a Japanese teacher of English (JTE), a native English teacher and the students collaborate with each other in the classroom. After a brief overview of a history of team-teaching practice in Japan, the author attempts to elaborate on the concept of team learning, where Tajino and Tajino (2000) describe it from a sociocultural perspective. The chapter examines a video-recorded team-taught lesson using conversation analysis and illustrates the ways in which teachers try to activate students’ explicit knowledge of English grammar by engaging them in a meaningful activity. The moment-by-moment analysis of the team learning reveals that the collaboration among the participants in the classroom is socioculturally constructed, involving teachers’ scaffolding and students’ contribution to the activity within a co-constructed zone of proximal development (ZPD). In sociocultural theory, there is an observation that pedagogical scaffolding emerges in the interplay between the teachers and the students.

高校生と遊ぶ

タイトルがへんな誤解を生まなければと思いますが,6月上旬に県内のある公立高校に勤務するA先生(本学の卒業生でもあります)のお誘いで,高校1年生の40名の皆さんに授業をしてきました。授業というより,ワークショップです。生徒さんたちは,国際系の学科のみなさんで,これまで毎年,学校の小高連携事業として,近所の小学校に出向いて英語を使った交流をするということを続けています。A先生によると,これまでは,高校生が劇や絵本の読み聞かせを準備し,それを小学生たちに英語を「教える」ということをやっていたそうです。ところが,小学校が教科化したこともあり,高校側も小学生とどのような交流をすれば意味のあるものになるのか迷っており,何かヒントを高校生たちに提示していただけませんか,という依頼でした。 続きを読む

Academic detachment

授業で扱っている資料の中に,学習や発達理論としてピアジェとヴィゴツキーがごく簡単に紹介されているので,学生さんに両者の考え方が学校教育の中でどのような形で見え隠れしているかを考えてもらいました。テクスト自体が短いので,誤解や抜け落ちがあることに気を付けつつ,学生さんに聞いてみました。現職教員の学生からは,これまで関わってきた児童生徒が,ピアジェの発達理論と重なるという意見や,学校の学年と重ねると発達段階の年齢の幅がありすぎじゃない?,など面白い意見が出てきました。 続きを読む

対面授業への身体作り

心配は的中。大げさではなく,コロナ禍で続いたリモート授業(今も一部続いているが)は,対面での授業のやり方の感覚を狂わせている。息は上がるし,脈も速くなる。授業で,ですよ。ゼーゼー,ハーハー。まるで新人くん。やっぱり授業はembodimentなのだを実感。そう言えば,The embodied work of teachingを読まずに放置していました。あれも読みたい,これも読みたい。 続きを読む

2022年度がはじまりました

2022年度がはじまりました。

コロナ禍,3年目になり,やっとトンネルの向こうが見えてきたかと思いきや,ここに来て,足踏み状態が続いています。まだ「ポスト」とは言えそうにないです。ただ,今年度は,対面で行われる授業が増えます。この2年間,画面の前で話すことに慣れきった私は,対面授業に必要な身体性を取り戻せるか,非常に心配です。人前でしゃべると,いつもマスクの中でゼーゼー言っています。

コースでは,昨年度末に5名の先生方とお別れし,あらたに3名の先生方をお迎えしました。私も,数えたら,この大学での23回目の春を迎えることになりました。もうひと仕事!と思いつつ,フィジカルにも,メンタルにも動きが悪くなりつつある今日この頃です。

学生,同僚のみなさんと,この1年,がんばっていきましょう。

3/29-4/2 兵庫教育大学「理論と実践の融合に関する共同研究」の成果発表を行います

今年度,大学から研究助成をいただき進めてきた「理論と実践の融合に関する共同研究」の成果発表会をオンラインで動画公開の形で行います。タイトルは,「VEO©を活⽤したオンライン教員研修 プログラム開発のための基礎研究 」です。下記のチラシ(PDFはこちら)のQRコード,大学のウェブサイト,あるいは,こちらのリンクから申込みできます。ご参加をお待ち申し上げております。

わっ,ブログへの投稿が1年ぶり。

3/2 シンポジウム「これからの英語教育の抜本的改善の方向性」を開催します。

3月2日(月)に本学神戸ハーバーランドキャンパスにて,シンポジウム「これからの英語教育の抜本的改善の方向性」を開催します。このシンポジウムは,私たちが,この4年間取り組んできた文科省委託事業「中学校・高等学校における英語教育の抜本的改善のための指導方法等に関する実証研究」の研究成果を公表するものです。基調講演として関西大学の竹内理先生に「新学習指導要領下での英語授業作り-『主体的・対話的で深い学び』に向けて」というタイトルでご講演いただきます。パネルディスカッションでは,研究協力校として参加して下さった先生方と本学関係者,そして,この事業を受託している信州大学と静岡大学から,酒井英樹先生,亘理陽一先生お招きし,意見交換し,これからの英語教育の方向性について考えようと思っています。

続きを読む

2/9 英語教育ユニバーサルデザイン研究学会 研究会を開催しました。

2月9日に兵庫教育大学神戸ハーバーランドキャンパスにて,英語教育ユニバーサルデザイン研究学会の研究会を開催しました。ノートルダム清心女子大学の湯澤美紀先生を講師としてお迎えし,「ワーキングメモリと英語学習」という講演とワークショップの二本立てでした。

先生のお話を聞いた後に,自分自身を「実験台」にして,記憶のプロセスを体験し,内省することで,そのメカニズムの複雑さを認識すると同時に,一人ひとり,個性のある記憶処理があること,また,それが情動的体験によって大きく影響を受けることを知り,UDの取り組みの中で,不安を取り除き,自己肯定感を高める学習環境のあり方についても考えさせられました。それにしても,自分自身の言語的短期記憶の衰えについては,やや絶望的になりました。でも,パプリカの2番は覚えられました。

11/25 関西大学eLINCにて講演をさせていただきました

11月25日(月)に関西大学英語教育連環センターにて,「二人称的アプローチによる授業研究−教師の情動的体験への接近−」というタイトルで,講演をさせていただきました。

今井裕之先生,eLINCのみなさま,お世話になりました。また,遅い時間に参加していただいたみなさまにも,心よりお礼申し上げます。なつかしいお顔にも再開することができ,個人的にもとても有意義な夜でした。スライドは,近日中にアップロードしたいと思います(余力があれば…)。

 

12月8日(日)AUDELL第1回研究大会

6月に設立した英語教育ユニバーサルデザイン研究学会(AUDELL)の第1回研究大会を12月8日(日)に早稲田大学で開催します。今年度,二度目のイベントです。4人の先生方の発表とシンポジウムをを行います。前回の設立総会以降,多くの方に関心を持っていただいておりますが,みなさま,是非ご参加ください。

事前申込みが必要です。詳しくは,AUDELLのホームページからお願いいたします。